1887年、公園の中心部にレクリエーション リザーブ(保護区)を設けました。1953年、初めて国立公園に指定され、1987年、ウェストランド国立公園とアオラキ/マウントクック国立公園が併せて世界遺産指定地域となりました。現在、公園の総面積は約70,011ヘクタール、1468mのセバストポール山からオセアニアの最高峰3754mのマウントクックまで名前のつけられた山が158あります。またこの地域の2000mを越える山は140以上、ニュージーランド国内にある3000mを超える27の山のうち、5つを除くすべての山が存在します。2つのプレートは現在も隆起していることが確認されており、マウントクックは1年に10mmずつ高くなっています。しかし、雪や氷による侵食や悪天候などにより、その姿は変化を繰り返しています。1991年12月には雪崩れにより山頂が10mくずれ、高さは3754mとなってしまいました。
公園内の40%は72ある氷河に覆われています。そしてゴドリー、マーチソン、タスマン、フッカー、ミューラーの5大氷河が存在します。全長27km、最大幅3km、場所によっては深さ600mという最大のタスマン氷河は公園入口の道路からも、はっきりと見ることができます。しかしながら、過去100年間で氷河の後退は速い速度で進んでおり、現在氷河末端に広がる湖がある場所が実は50年前は氷河の中だったと、その湖に浮かんでいる流氷を見ることで分かります。
遠く離れた土地で成長を妨げるものの少ない環境から、多くの動植物が繁殖しました。原産の植物のほとんどは山岳部の低木地帯や草地に多く見られます。これら高山植物の特徴は、マウンテン バターカップ(キンポウゲ科)とマウンテン デイジーの種類が豊富なことです。有名なマウントクック リリーはユリではなく、世界一大きなキンポウゲ科の花。周辺の森林は、初期の入植者達によって焼きはらわれたため、今ではシルバービーチ(銀ブナ)だけがところどころに残っています。
公園内には、400種もの鳥が生息しています。その中でも他種と異なる特徴をもつのが、いたずら好きでおどけたしぐさで良く知られるマウンテンパロット(オウム)のケアです。季節を問わず常に山岳部に生息している鳥は、冬の間高地の岩場でも生き延びることができる小さなロックウレン(ミソサザイ)です。時には、ケア、ハヤブサやブラック バックド ガル(セグロカモメ)などが空高くなきながら飛んでいるのをみつけることができます。公園付近の網の目のように流れるタスマン川沿いには、絶滅の危機にあるブラックスティルト(シギ科)が戻りはじめています。国立公園は、トンボやバッタ、ちょっと変った蛾や蝶の類など無脊椎動物の宝庫としても知られています。サンドフライ(アブの一種)やマウントクックフリー(ノミ)として知られるブラック アルパイン ウェタは、万年雪との境界ライン以上の高度でも見ることができます。